簿記と経理実務が全く違うとよくいわれる理由

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こんにちは!!

 

フジヤマです!!

 

「簿記と経理実務は全く違う」

「簿記を持っていても経理実務ができるとは限らない」

「簿記の資格を持たなくても、経理実務はできる」

 

こんなことを言われたり、聞いたりした方はいると思います。

 

特に、未経験から経理を目指す方が転職活動を行う中で、面接官に言われたりキャリアアドバイザーに言われた経験をしていると思います。

 

そこで、二回の転職を経て、現在上場企業経理マンであるフジヤマが簿記と経理実務が全く違うとよく言われる理由をお伝えします。

 

簿記と経理実務が全く違うといわれる理由

簿記(の資格)も経理実務も仕訳を切ることに変わりませんが、そのプロセスに大きな違いがあり、

 

それが簿記(の資格)と経理実務が全く違うといわれる所以となっています。

 

簿記と経理実務が全く違うといわれる理由は説明する上で、

 

簿記のプロセス経理実務のプロセスそれぞれを理解して頂くと理解しやすいと思います。

 

それでは説明していきます。

 

簿記(の資格)の問題で仕訳を切る場合

簿記(の資格)の問題は下記のようなプロセスを経て仕訳を切っていきます。

 

1.仕訳を切るための問題文(前提条件)を読み解く

2.前提条件を読み解いた上で、適切な会計処理は何か考えて当てはめる

3.仕訳を切る

 

簿記は「あらゆる経済取引をどのように会計処理(帳簿付け)すべきかを体系的にまとめた」ものであり、

 

日商簿記に代表されるような簿記の資格その仕組みを理解しているかを問う資格試験という位置づけになっております。

 

その為、問題の設定の仕方も「数多ある会計処理の中で適切な会計処理に当てはめることができるかどうか」を問うような形で設問されております。

 

したがって、問題文(前提条件)を踏まえて、適切な会計処理は何かを考えて仕訳を切るという一連の流れが簿記で仕訳を切るまでプロセスとなっているのです。

 

経理実務で仕訳を切る場合

 

一方、経理実務では下記のような流れで仕訳を切っていきます。

 

1.仕訳を切るための前提条件を確認・整理する

2.確認・整理した前提条件を踏まえた上で、適切な会計処理は何か考えて当てはめる

3.仕訳を切る

 

経理実務では、簿記(の資格)の問題とは異なり、

 

簿記(の資格)の問題で与えられていた問題文(前提条件)も自分で確認・整理して作成する必要があります。

 

簿記の資格は「会計処理に関する知識を確認することに重きを置いているものなので、仕訳を切るための問題文(前提条件)を作成する必要はありませんが、

 

経理実務では「発生した経済取引を帳簿付けするまで」が一連の流れとなっているので、

 

会計処理に落とし込むための前提条件、つまり仕訳を切るための問題(前提条件)を作成する必要があるのです。

 

仕訳を切るための問題文(前提条件)の作り方(確認・整理の仕方)は下記の通りになります。

 

1.契約書を確認する

2.事業部に取引実態を確認する

 

大半の会計処理をするための前提条件は上記の方法で作成することができます。

 

しかし、中にはそれだけでなく

 

・事業計画が達成しうるものなのか分析する

・業績を分析したうえで、回収可能性を判断する

 

といったことをする必要がある会計処理も少なからずあります。

 

そして、下記の会計処理では前提条件を確認・整理することが多くあり、難易度も高いものとなっております。

 

尚、下記に挙げた会計処理は一例であり、他にもあります。

 

1.リース会計

2.貸倒引当金

3.退職給付会計

4.資産除去債務

5.固定資産減損会計

6.引当金関係

7.のれんの償却年数

8.繰延税金資産の回収可能性

 

上記に挙げた会計処理は、その前提条件が妥当なのか、監査法人や事業部と議論になることが多々あります。

 

これらの会計処理は監査法人と事業部と板挟みになることもあるので、調整するのが非常に大変です。

 

そして、会社の業績にも大きく関わることがあるため、責任も重くなることがありますが、これを経験することで市場価値が高くなる傾向にあります。

 

市場価値が高い経理マンの特徴5選という記事や

 

経理マンが市場価値を落とさない為にやるべきこと5選という記事で

 

上記のような会計処理ができる人が市場価値が高いという言われている所以「会計処理を行うための前提条件を作成するのが難しくできる人が少ない」ことにあるのです。

 

簿記と経理実務との最大の違いはここにある

 

簿記と経理実務についてご説明いたしましたが、

 

その最大の違いは「仕訳を切るための問題文(前提条件)が与えられているのか、自分で作る必要があるのか」ということです。

 

簿記は仕訳を切るための前提条件が与えられていますが、

 

経理実務は仕訳を切るための前提条件が与えられておりません。

 

冒頭でも述べたように、

 

これはそれぞれの目的が異なるためプロセスも異なっているのです。

 

簿記(の資格)は「仕訳を切るために必要な会計処理を理解していることを確認することに重きを置いている」ことに対して、

 

経理実務では「発生した経済取引を帳簿付けするまで」が一連の流れになっております。

 

以上から、簿記(の資格)と経理実務では「仕訳を切るための問題文(前提条件)を作るかどうか」に違いがあり

 

それが簿記(の資格)と経理実務との最大の違いなのです。

 

それでも簿記を取る必要があるのか

この記事をここまで読んだ方は

 

「簿記と経理実務がそこまで違うなら取得する必要があるのか」と思うかもしれません。

 

しかし、簿記はそれでも役に立ちますので、取得したほうがいいです。

 

簿記は前述した通り、「あらゆる経済取引をどのように会計処理(帳簿付け)すべきかを体系的にまとめたもの」であり、

 

簿記を理解していないと適切な会計処理を行うことができないからです。

 

また、簿記の資格を取得していると、「この人は簿記を持っているから経理の素養はあるだろう」とみなされることがあるので、

 

経理をやりたい方は簿記を取得することをオススメ致します!!

 

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最後までお読みいただきありがとうございます!!

 

この記事が少しでも皆さんのお役に立つことができれば嬉しいです!!